KREI EST
また来る。今度は、誰かを連れて。

同じ店に、
二つの回り方がある

立地も、扱う商品も、キャリアからの目標も同じ。それでも数年後に差がつきます。何が回っているかが違うからです。

良い店かどうかの判定は、これ一つで足ります。自分の友達や家族を、喜んで案内できるかどうか。

許容できるか、ではありません。喜んで、です。この問いに正直に答えると、成り立たない接客が二つ見えてきます。

三つの接客

押し切る接客

決まった瞬間に、関心が切れる。数字は上がりますが、その人はもう誰も連れてきません。評判を削って、実績を買っている

言われた通りに渡す接客

感じは良い。けれど、その人がまだ言葉にできていない必要には触れていません。丁寧に見えて、提案がない

価値を提案する接客

来た理由の奥にある悩みまで扱い、解決して返す。その人が新しい暮らしを作るのを手伝う。だから感謝され、実績も残ります。評判と数字が、同じ方向を向く

前の二つは、担当した人の資質の問題ではありません。短期の数字だけで評価されれば前者になり、決めることを恐れれば後者になる。どちらも、その場の仕組みが決めています。

押すこと自体は、悪くない

誤解されやすいので、先に書いておきます。押すことは、提案の一部です。迷っている人の背中をやわらかく押してほしい。そう思って来店するお客様は、実際に多い。

決めない接客は、親切に見えて、迷ったまま帰らせているだけのこともあります。それは寄り添いではなく、判断を相手に押し戻しているだけです。

分かれ目は、押したあとにあります。押した以上、その結果に責任を持つこと。使えるようになるまで付き合い、困ったときに戻ってこられるようにしておく。

無責任な押しとは、決まった瞬間に関心が切れることです。売った時点では、まだ価値になっていません。その人が使えるようになって、はじめて価値になる。押したかどうかではなく、押したあとどうしたかが分かれ目です。

短期の利益を最優先すると

短期的な利益を最優先する姿勢は、長期的な利益の最大化には繋がりません。数字を締めるほど、次の数字が取りにくくなるからです。

一周するたびに、次に取れる数字が減ります。だから、さらに数字を締めることになる。

見落とされやすいのは、この回り方が長期だけでなく目の前の効率まで損なっていることです。押し切った一件は、その場では一件でも、後日ご指摘や不安になって戻ってきます。説明のやり直し、解約の手続き、報告と対応。時間を奪い返していきます。

そして、それを引き受けるのは現場の人です。自分がやったことの後始末を自分でする時間が増えるほど、この仕事に対する誇りは削れていきます。評判が落ちる前に、まず本人の満足が落ちる。

この回り方は、どこかに悪意があって始まるものではありません。目の前の数字が足りないという、まっとうな危機感から始まります。だから止まりにくい。

お客様のためと、価値提案を両立させると

その人の悩みに向き合い、解決して差し上げること。そのうえで、きちんと提案すること。この二つは選ぶものではありません。両立させたとき、循環の向きが変わります。

育った人が、また提案する。一周するたびに、次に取れる数字が増えます。

後半の三つが、この循環の要です。良い接客は、そのまま教育であり、採用でもあります。誰かが誰かの接客を見て憧れる。それが起きている店では、教えたことが伝わり、紹介で人が来ます。

差がつくのは、人しかない

端末も、料金プランも、キャンペーンも、決めているのはキャリアです。隣の店と同じものを、同じ条件で扱っています。商品で差がつく余地は、はじめからありません。

残るのは、カウンターに座っている一時間の中身だけです。ここだけが、店ごとに違う。

分かりやすさ

同じ説明を全員に繰り返さない。専門用語を減らすことではなく、その人の暮らしの言葉に置き換えること。

ホスピタリティ

来た理由の奥にあるものまで扱う。手続きを済ませることと、その人を迎えることは別のものです。

スピード

待たせない、迷わせない。一時間が四十分になれば、それ自体がその人に返した価値です。

ワクワク

新しい暮らしが始まる時間にする。手続きに来た人が、買い物をして帰る。

この四つは、性格でも才能でもありません。どれも教えられるものです。だから循環になります。できる人が一人いるだけでは店は変わりませんが、教えられる形になっていれば、次の人に渡ります。

KREI EST

私たちが作るのは、感謝から始まる方の循環です。

ただし、良い接客をしようと決めるだけでは向きは変わりません。二つの循環は入口が同じで、分かれるのは、その店が何を見て、何を評価しているかだけです。

評価をどこに置くかについては、別のページにまとめました。

評価の置き方を見る